「子供の離婚」親はどう対応すべき?モラハラ・不利な条件を受け入れる前に弁護士へ

1.お子様の離婚!胸が痛む親御様へ

 離婚問題はご本人の年齢・状況によっては、本人だけでなく双方あるいは一方の親御さんをも巻き込んで進展していくことがあります。また、渦中にいなくても、一人で抱え込んで悩んでいる子供さんを心配して気が気でない親御さんもいらっしゃると思います。離婚問題で悩んでいる子供さんがいる場合に、親としてはどのように行動したらいいのか、どんな行動はしてはいけないのか、子供の離婚問題をどのようにサポートしたら一番解決に向かいやすいのか、ここでは、日頃の弁護士業務の中から感じていることをお示ししたいと思います。

2.子供の離婚、親がやってはいけないNG行動

 離婚問題を抱えている子供さんがいる場合、親としてやってはいけない、やらない方がいい行動がいくつかあります。

① 親自身の嫁・婿に対する不満をからませたり、親自身の孫に対する執着を正面に押し出す行動

 夫婦関係が悪化するケースの中には、親と嫁・婿との関係が芳しくないこともまま見受けられます。子供自身も親に対する妻・夫の失礼な態度にともに立腹している場合には、親子の行動として歩調がそろうから、その限りでは構わないのですが、必ずしもそうではないケースもあります。

 子供自身は親ほど配偶者に不満を持っていなっかたり、親のもつ不満点とは別の点で夫婦間の葛藤を抱えていたりすることも珍しくありません。そのようなケースでは、よく紛争の中身が分からない中で、親が自分自身の嫁・婿に対する不満をぶつけてしまうと、肝心の離婚紛争の中核部分が見えなくなってしまい、逆に、小火で済むはずだった離婚紛争が、山火事に発展してしまい、収拾がつかなくなってしまうことがあります。

 さらに、子供自身は孫に対する親権にさほど執着していないのに、親が孫かわいさから子供に離婚後の単独親権獲得をプッシュするケースも見られます。本来であれば、子どもの親権争いがなく早期解決が可能であったのが、親の介入で親権争いや面会交流トラブルに発展して、紛争が長期化するケースも見受けられます。

 多くの場合、子供の立場に立って嫁・婿を非難するのは自然なことですが、あくまでも紛争当事者ではない立ち位置にとどまることが、親としては大切なことだと実感させられます。

② 子供を非難する行動

 逆に、子供たち夫婦の円満な関係を修復させたいと願って、親が、嫁・婿に寄り添い、嫁・婿の言いなりになっているうちに、離婚問題での子供の立場を危うくしてしまうこともあります。子供の夫婦関係に亀裂が入っている場合には、できるならば、中立を装うことも大切です。子供夫婦に対立関係がある場合、舅・姑から出来る限り、金銭的援助を引っ張り出そうとする不届きな嫁・婿がいることも、残念ながら事実です。嫁・婿に配慮するあまり、離婚紛争解決プロセスで自分の子供に援助する資金まで奪われたのでは、本末転倒です。対立関係にある嫁・婿は嘘を舅・姑に言おうというわけではありませんが、葛藤関係にある配偶者のことをよく言うわけはありません。嫁・婿に配慮する余り、肝心の自分の子供を追い詰めることになっては元も子もありません。

 離婚問題の渦中にある我が子を非難する行動は、我が子が追い詰められて、一番心配している親にすら相談できなくなるという、悲劇的な展開をもたらします。

③ 子供を突き放す行動

 離婚問題を抱えている子供は、年齢的にはもうおとなです。そのためか、自分のことは自分で解決するようにと、突き放す親御さんもいらっしゃいます。理屈としては分かるのですが、家庭内でのモラハラやDVなどがある場合、あるいは家計を完全に掌握されて預金・給与等の財産を根こそぎ横領されて経済力を失っている場合などには、おとなだから、自分の力で解決しなさい、というのは酷です。

 苦境に立っている状況下で、実の親からも突き放されてしまうと、場合によっては自死等を引き起こしてしまう可能性もゼロではありません。

 

3.親ができるサポートとは

 それでは、離婚問題を抱える子供に対して親ができるサポートとはなんでしょうか。

 まずは、離婚問題に関する子供の言い分・認識をひとまずそのままじっくりと聞いてみることではないでしょうか。もちろん、その言い分の中には、納得できない部分や逆にその考え方自体が歪んでいると感じる場合もあるかもしれませんが、まずは、全貌を把握する意味でも、子供からその認識する離婚問題をじっくり聞いてみましょう。子供も、誰かに話したかったとしても、離婚問題はなかなか誰にも話せるものでもありません。同じ事が繰り返されたり、話の内容が世代的に分かり辛かったとしても、何回も聞いていく内に、子供の側からの一方的な見方とはいえ、離婚紛争の中身が見えてきます。

 そのうえで、次に進むべき道を模索していくこととなります。

4.この場合は弁護士に相談おすすめ!注意すべきケース

① DV・モラハラの兆候がある

 子供の離婚問題の実態を聞いていくうちに、嫁・婿の行動の中に、モラハラあるいはDVが見られる場合には、弁護士に対応を相談する方が無難です。モラハラ・DVをする人は、話し合いの本題に入る前に、「勝手に親にまで話して、大げさにしてしまったおまえの態度が気に入らないから、まずは、そのことについて謝れ」とか、「離婚の話し合いに入る前に、あのできごとについて、きちんと説明しろ」などと、話題をすり替えて、子供だけでなく親御さんをも手玉に取ります。いつまで経っても本題には入れません。

 仮に、モラハラ・DV加害者の行動傾向を知らないまま、謝罪してみたり、要求される事項についての説明をしてしまうと、今度は、謝罪の仕方が気に入らない、説明内容がそれではおかしいなどと、延々と離婚解決からは関係のない話題事項にすり替えられてしまいます。

 嫁・婿にDV・モラハラ傾向がある場合には、対応をどうするか、離婚の話し合いの方法・手段等も含めて、まずは弁護士に相談するのが無難です。

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② 不利な条件を一方的に提示されている

 子供から事情を聴いていくうちに、嫁・婿その親から、一方的に不利な離婚条件を突きつけられ、精神的にも疲弊させられて、子供がそうした不利な離婚条件を承諾させられそうになっているケースもあります。

 そのような場合、不利な離婚条件を突きつけられた側の多くは、早くこの条件で離婚協議書にサインしろとか、早くこの条件で公証人役場に行こうなどと執拗に迫られていることが珍しくなく、精神的にはかなり疲弊しています。

 こうしたケースでは、一刻も早く、弁護士のもとに法律相談に出向くことが必要です。離婚協議書や離婚給付公正証書などがいったん作成されてしまうと、その変更はなかなか簡単にできるものではありません。

 子供さんが遠隔地に住んでいて、なおかつ、子供さん本人は精神的に疲弊してしまい、自ら法律相談に出向けないというのであれば、親御さんが親御さんの地元の弁護士に相談したって構わないのです。

 この不利な条件を一方的に提示されているケースは、一刻の猶予もならない緊急事態です。急いで親御さんが代理で法律相談に出向いていく必要があります。

③ 相手が感情的で話し合いにならない

 両家の親もまじえて、子供夫婦同席の元で離婚問題について話し合いをしたが、逆に、相手側が感情的になってしまい、それがきっかけでこちらも感情的になってしまい、話し合いにならなくなってしまうケースも珍しくありません。

 このケースは、放置すれば、いつまでも解決の土俵にすら上がれません。子供の苦境を見て、親御さんも感情的になるのは当然のことです。誰しも、自分の背中は見えないものです。

 今後、進むべき道については第三者である弁護士にひとまず相談してみることが解決の糸口につながります。弁護士はいくらあなたがたの味方であるといってみても、どこまでも他人です。他人には人の背中はよく見えます。

 紛争の渦中にいて気がつかなかったことでも、他人である弁護士に相談すれば、見えてくるものもあります。感情的になってこじれただけであれば、法律問題はさほど困難な課題はないということもあります。まずは、弁護士に相談してみてもよいのではないでしょうか。

 5.両親の協力が子供の離婚問題解決にもたらす好影響

 子供の離婚問題について、親御さんが協力をしていくといっても、具体的なイメージがつかみにくいかもしれません。

 例えば、東京などの遠隔地に子供がいるが、子供自身は紛争の渦中にあって精神的にも金銭的にも余裕がなくて、都内の弁護士に相談に行けないでいるというような場合には、親御さんが地元の山口県内の弁護士に代理でまずは相談してみるということが考えられます。離婚問題の紛争の渦中に子供さんがいる場合には、給与・預金等の財産を全部、配偶者に握られていて、弁護士に相談したり、依頼したりする現金自体がないことも多いのです。当面の弁護士費用なども親御さんが出してあげるというだけで、子供さんは救われることがあります。

 また、例えば、精神的に追い詰められて、子供さんが相談のタイミングを逃してしまい、一方的に不利な離婚給付等公正証書を作成されてしまった後で、親御さんがその事情を把握し、弁護士に相談したとした場合を考えてみます。基本的には、いったん公正証書や調停で決まった養育費等の離婚条件は、「事情変更」がなければ、減額や増額はできません。それでも、子供がここまで追い込まれたことに立腹した親御さんが、結婚期間中に住宅資金を援助したがそれを返して欲しいと言い出したとします。済んでしまった贈与はいまさら取り消すことはできません。しかし、恩知らずがあったときには、贈与金を返せといえるという法律の理屈自体はあります。ただし、この理屈を使っても勝訴率は大変に低いのです。子供さんの離婚条件の変更を何とかしたいのが目標ですが、それ自体は厳しい。親御さんの意趣返しも勝訴率は低い。それでも、親御さんが協力してくれるというのであれば、この意趣返しの贈与金返還訴訟を嫁にぶつけるとともに、本命の養育費減額調停を立てるということも考えられます。無意味のようにも思いますが、調停の対応はともかく、訴訟の対応や精神的負担は離婚直後の嫁には精神的にきついものがあるかもしれません。訴訟はいわば捨て駒です。調停で養育費減額を勝ち取るための駆け引きに使います。養育費の減額に応じてくれれば、贈与金返還請求は放棄してもよいという形で、アクロバットですが、養育費減額を勝ち取りに行くということも考えられます。これなどは、調停での援護射撃までをも親御さんに協力してもらうケースです。

6.まずは新山口法律事務所にご相談ください

 手遅れにならないうちに、たとえ東京や大阪にいる子供さんの離婚問題であっても、親御様だけでのご相談でもよいのです。もちろん、帰省したタイミングで親御様と子供さん同席でのご相談でもよいのです。相手に一方的に攻撃されないように、早めのタイミングでご相談頂ければ、当事務所は歓迎いたします。

お一人で悩まず弁護士にご相談ください。 TEL:083-976-0491 受付時間 平日 10:30~18:00 お一人で悩まず弁護士にご相談ください。 TEL:083-976-0491 受付時間 平日 10:30~18:00

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