離婚したいが話し合いに応じてくれない

① 夫婦間の亀裂の深刻さに気づいていない

 夫婦の問題についてきちんと話し合おうとしても、疲れているなどと言ってまともに取り合ってくれない相手方もいます。多くの場合、相手方は、あなたが深刻に感じている夫婦のすれ違いについて、ろくに認識できていないのです。あなたが、家計費の不足や、支出を減らそうとして、相手方にきちんと考えてもらおうと思っても、家計は任せているんだから、何とかしろという態度のことも多いのではないでしょうか。

 また、実は、行動がおかしいと思い、見てはいけないと思いつつもスマホを見てしまったりして、相手方の浮気が分かってしまう場合もあります。事を荒立てずに、不倫相手と別れてもらいたいと思っても、知られていないと思っている相手方は話し合いには応じないこともあります。

 

② 同居のままだと、離婚方向への真剣な動きは出てこない

 真剣な話し合いにつながらない理由の一つとして、同居生活が以前と変わりなく続いていることがあります。あなたの深刻な夫婦生活に関する悩みが伝わらず、相手方にはそうはいっても、一緒に暮らせていけているのだから、仕事も忙しいのに話し合う必要まではないという安易な思いを起こさせている場合は多いのです。

 ただ、いきなり、引越業者を手配して、相手方に知らせずに家をもぬけの殻にしてしまう勇気がなかなか出ないのは当然です。

 

③ 実家の親を交えて話し合いを持つことのよしあし

 あなたが真剣に夫婦生活について悩んでいることを示す手段として、両家の親を交えた話し合いをセッティングするということが往々にして見られます。

 日本の伝統的な技ですが、「家」制度が崩れて、嫁に行ったという意識も薄れてきている昨今では、あまり効果的な解決にまでは行き着きません。むしろ、嫁としてなっていないと言われたり、売り言葉に買い言葉として、改善されないなら娘はこのまま連れ帰る、と事態を紛糾させることにもなりかねません。

 両家の親を交えた話し合いの唯一の効果は、少なくともあなたは夫婦間の問題をとても深刻にとらえて、深く悩んでいることだけは伝わるということです。

 

④ いきなり家裁の調停を使ったときの相手の反応

 そうなると、あとは家裁の夫婦関係調整調停をいきなり使ってみるということが考えられますが、事前に知らせないまま相手方が家裁からの調停申立書を受け取ると、むしろ、パニックに陥ってしまうことがあります。あなたは、きちんとした話し合いをしたいと思っていただけなのに、相手方は、裁判所まで使うのならば、徹底抗戦だと構えてしまい、話し合いにならないこともあります。むしろ、離婚訴訟の泥沼にはまってしまうこともあります。

 

⑤ まとめ

 この記事では、離婚の話し合いに応じてくれないときの対処方法をいくつか解説してまいりました。

 あなたが真剣に夫婦関係の問題を悩んできていること、相手方ときちんと話し合いたいと思っていることを少しずつでも、相手方に認識させていくことが重要です。手紙という古典的なパターンでも、通信アプリで徐々に伝えていくというのでもよいですし、相手方がとりあわなければ家裁の調停を利用することもあります。ただ、家裁の調停はいきなり申し立てるのではなく、こういう夫婦間の問題を話し合いたいこと、普段の生活ではなかなか話す時間がとれないから、家裁の調停を使うことにしたことなどを、申立前に上手に相手方に伝えておけるとベストです。

 

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