① 離婚届作成に応じてくれないとき
日本の離婚の９割は協議離婚であると言われています。離婚届を夫婦二人で署名して、必要事項を記入して、市役所に届けます。ただ、相手方が、離婚届に署名してくれないときは、次のステップを考える必要があります。
相手方が離婚に同意しないときには、調停離婚の手続をとることになります。
離婚届がだめだったときの次のステップは、家裁の離婚調停です。
② 調停申立書はどこで手に入れる
家裁の離婚調停を使うことに決めたら、次は、どこの家裁を使うのか、調停申立書はどうやって手に入れるのか、が気になってきます。
まずは、住まいの近くか、勤務先の近くの家裁があれば、直接、出向いて離婚調停申立書をもらってくることが簡単です。ただし、実際に調停を担当する家裁は、相手方の住まいにある家裁です。あなたの近くの家裁でもらってきた申立書を使うのはかまいませんが、完成させた申立書の提出先は相手方の住まいの最寄りの家裁です。郵便で提出しましょう。レターパックを使うと提出完了の確認もできます。
問題はあなたが実家に帰っていて、相手方の住まいとはかなり遠くになってしまっているときです。首都圏・近畿圏の範囲内であれば、勤務先が近いのならば、勤務先近くの家裁を利用する合意をして、勤務先近くの家裁を利用したり、かなり遠隔であるときには、中間地点の家裁を利用する合意をすることもあります。管轄合意書という書面を作成します。
調停申立書などは、自由記載欄があります。ここをどうやって記載していくのかが、工夫のいるところです。調停委員や裁判官の関心がどこに向かいそうかを意識しながら、注意深く記載していきます。新山口法律事務所では、どこに気を配りながら、申立書を記載していくのかもアドバイスいたします。
嘘を書くことはもちろんできませんが、ひとつの事実でも書き方によって、ずいぶんと印象は変わります。夫が借金を作って浪費するという出来事が真実だとしても、その原因が妻による夫名義の預金の浪費であり、夫は小遣いが一円もなくて仕方なく借金をしていたとなれば、調停委員や裁判官の印象も正反対に変わりかねません。ずっと裁判所からダメな夫として調停での扱いを受けていたのが、妻の浪費が判明して立場が逆転したケースもあります。
第一印象はそういう意味では大切です。調停申立て段階から弁護士を活用しておくと、このような誤解を避けることができたり、少なくとも途中から挽回することも可能です。
③ 申立書と一緒に提出する書類や手数料はどうやって調べる
調停申立書と一緒に提出する書類や手数料の納め方は、裁判所のホームページを調べると分かります。相手方を呼び出したり、裁判所と郵送でやりとりするための郵便切手も一緒に提出しますが、切手の種類と組み合わせ方は調停を担当する家裁の家事調停係か、家事訟廷事務室に電話で問い合わせて確認することができます。
④ 調停申立書の記入のしかた
最寄りの家裁に調停申立書をもらいに行くと、ついでに、調停申立書の書き方の説明を受けることができます。あくまでも記入の方法について説明が受けられるだけです。どんな事情で離婚したいのか、どんな離婚条件で離婚したいのか、といった内容面はあなたが自分で考えて決めなければなりません。相手方に求めたい離婚条件を調停申立書に記載するときは、法律に違反しない内容にしなければならないことはもちろんです。
いかがでしょうか。〇をつければいいように工夫がしてあったり、一見して簡単に素人でも書けそうな調停申立書類ですが、実は、のちのち調停で後悔しないように、細心の注意を払いつつ、しかも、裁判所に誤解されないように表現も工夫していかなければならないのです。新山口法律事務所では、ひとつひとつのケースに即して、注意深く調停申立書を作成していくように心がけています。
⑤ まとめ
この記事では、離婚調停の申し立て方について解説してまいりました。
申立書の入手方法、記載方法、添付書類、手数料、管轄家庭裁判所といった調停手続のルールも実は法律で決まっています。調停申立書の希望する離婚条件の記入をするには、離婚に関する法律や判例を知っておく必要もあります。調停手続に関する形式的なことまでも、実は、法律で決められているので、気をつけてくださいね。
予想以上に、内容面でも、事務的な面でも面倒、難しそうに感じられましたら、一度、新山口法律事務所にご相談ください。
