離婚したいといわれている方へ

① 相手の言い分を聞いてみる

 あなたが、突然、離婚したいといわれたら、まずは、相手の言い分をきいてみるしかないでしょう。別に好きな人ができた、親の介護に専念したい、子どもが独立したから自由に生きたい、自分が難病にかかって迷惑をかけたくない、などなど、相手の理由はさまざまでしょうが、離婚は考えていなかったあなたとしては、相手の考えを聞いてみるしかないでしょう。理不尽なものから、仕方ないと思うものまで、いろいろですが、じっくりと聞いて相手の離婚に向けての気持が本気なのかどうかを見極めたいところです。

 

② 自分はどうしたいのか

 その上で、あなた自身は、今後の結婚生活をどうしたいのか、じっくり考えてみることになるでしょう。相手の気持ちは変わらないとして、あなたは、結婚生活に意欲を失った相手とどうやって結婚生活を続けるのか、意欲のない相手との結婚生活のあり方はどうなるのか、そんなことは可能なのか、自分にとってストレスはないのか、自分の気持ちを見極めていく必要があることになります。

 ただ、子どものため、家族のため、という視点で、結婚生活を続けるのかどうかを考えることはおすすめしづらいところです。子どもや家族は、離婚したとしても相手とのつながりが失われるわけではないからです。大切なのは、あなた自身の気持ちです。

 そうはいっても、今は決断できない、という方もいるでしょう。それも立派なあなたの気持です。

 

③ 冷却期間をおきたいなら

 ここまでは、法律の問題ではありませんでしたが、あなたが自分の気持ちを見極めることができたら、法律的にとれる手段があるかもしれません。

 今は離婚するかどうか、決断しづらいというあなたの場合には、家裁を使って夫婦関係調整(円満)調停の申立てをして、相手と話し合うことが可能です。

 もちろん、喧嘩するわけではないので、調停を申し立てる前には相手にも家裁を使って話し合いをしたいから、と事前に打ち明けておきましょう。

 家裁の夫婦関係調整(円満)調停では、夫婦関係の円満修復ができないかどうかを話し合うことができます。もし、相手の離婚したいという理由の奥に、生活上のいくつかの不満点があったのならば、それをテーマとして話し合い、調停成立の場面で、今後も同居生活を続けていく上でいくつかの約束事項を盛り込むこともあります。お互いに会話を多く心がけるように努める、とか、毎週1回は家計収支の報告をするなどといった約束事項です。

 また、相手の気持ちが離れていることが確認できたが、こちらが離婚には踏み切れない場合には、あえて冷却期間を置いて、当分の間別居するという調停条項を作成して、いったん解決するということもあります。

 夫婦関係調整(円満)調停の調停条項をみると、まるで子どもの約束みたいな条項のようにも見えますが、これもまた立派な調停条項です。調停条項違反があったときに強制執行をすることは性質上できませんが、調停で決めたことは法律上履行勧告の対象となります。円満調停の調停条項違反があったときには、家裁に履行勧告のサービスを申し立てると、家裁が調停条項実現のために助力してくれるというわけです。

 

④ 相手が離婚に向けてアクションしてきたら

 あなたが先にアクションを起こす前に、相手が先に離婚に向けてアクションを起こしてきた場合には、何らかの対応をする必要があります。相手に弁護士がついた、相手から離婚調停を申し立てられた、それぞれの対応をしていくことになります。

 

⑤ まとめ

 離婚したいと言われたとして、必ずしもそれに応じなければならないわけではありませんし、相手がアクションを起こすのを指をくわえてみている必要もありません。耳慣れない言葉かもしれませんが、夫婦関係円満調整調停というものがあって、それを活用することができます。

 

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